環境システム学科のカリキュラムは、環境科学諸分野の基礎から専門、応用・発展へと段階的に学んでいく仕組みになっています。科目の特性やレベルに応じて幾つかの科目群に分けられており、学生は卒業までの4年間で、各科目群に定められた卒業基準単位数を全てクリアするように履修していきます。カリキュラムに関するさらなる情報は、こちら(環境システム学科ホームページ)もご覧ください。
区 分 | 卒業基準単位数 | |
合 計 | 126単位 | |
教養的科目 | フレッシャーズ科目群 | 10単位 |
一般教養科目群 | 12単位 | |
外国語コミュニケーション科目群 | 6単位 | |
スポーツと健康科目群 | ||
キャリア形成科目群 | ||
専門科目 | 98単位 |
区 分 | 卒業基準単位数 | |
専門科目合計 | 98単位 | |
必修科目 | 36単位 | |
専門基礎科目A群 | 学部共通科目 | 10単位以上 |
学科共通科目 | 4単位以上 | |
専門基礎科目B群 | 1領域6単位以上 | |
専門科目A群 | 1領域8単位以上 | |
専門科目B群 | 専門科目A群と同一領域6単位以上 | |
専門科目C群 | 8単位以上 | |
自由選択科目 | 特に単位数を指定しない |
環境システム学科では、下記に示すような気象学・気候学に関する種々の授業が開設されています。地球を取り巻く大気の大循環から地上付近で起こる微気象まで、過去の気候変動から天気予報、地球温暖化将来予測まで、気象・気候に関する様々な時空間スケールの現象を学べる、充実のラインナップです。
なお、各授業のシラバスは以下のリンク先で閲覧できます。
1年次第1期に受講する、気象・水文コース必修科目です。気象、水文、情報分野の教員がオムニバスで講義を行い、気象分野の教員は全15回授業のうちの6回を担当します。気象、水文、環境情報に関する身近な話題や最新のトピックスなどを取り上げ、これらの学問分野に対する学修意欲を向上させる入門的授業です。
1年次第2期に受講する、気象・水文コース必修科目です。気象学・気候学の基本的な内容について概観し、2年次以降に受講する環境気象学分野の専門科目を学ぶ上での橋渡しとなる授業です。
様々な気候・気象現象は運動の法則や質量保存則、熱力学の法則などの種々の物理法則に従って変化しています。地球大気は地球の自転運動に従って回転していますが、その影響による特徴的な現象も見られます。「気候・気象学」では、気候・気象の基礎をなす種々の概念や法則を学び、大気の状態を表す気温、風、気圧、湿度といった変数の相互関係を理解します。
気象学では、水平規模数千kmを総観規模と呼びます。総観規模の大気現象には移動性高・低気圧や前線、台風などが含まれ、日々の天気変化に重要な役割を演じています。「総観気象学」では、総観規模の諸現象を中心に、総観規模よりひと回り小さいメソスケールの現象も含めて、それらの特徴や現象を支配する物理法則の理解を目指します。
地球大気の熱エネルギーや運動量は、地球全体としては平均的にほぼ一定に保たれていますが、地球が自転する球体であることなどの理由で緯度や地域による不均衡が生じています。地球大気は、これらの熱や運動量の不均衡を解消するため、地球規模の流れを起こして熱や運動量を運びます。「大気大循環論」では、地球を取り巻く大規模な流れ(大気大循環)の特徴を知り、その形成機構を理解します。
実際に起こっている大気現象を理解するには、大気の状態を正しく観測し、得られたデータを適切に解析し、種々の解析結果から現象を総合的に捉えることが基本です。「環境気象学実習」では、実際に野外での気象観測を行い気象観測の基礎を学んだり、種々の気象データを解析しそこから大気の特徴を読み取る能力を養ったりします。座学だけでは身につかない、気象に関する実践的技術を学び、自然現象への理解を深めます。
ある特定の場所において、長期的に平均して見られる大気の総合的状態を気候と言います。その場所の大気は時々刻々変化しつつも毎年同じような年変化を繰り返し、平均してみれば同じような気候に保たれています。しかし、長期間の気象データが蓄積され、また各種の代替データにより過去長期間にわたる大気の状態が復元された今日では、各所の気候も様々な時間スケールで変化していることが明らかになっており、気候変動と呼ばれています。本講義では、様々な時間スケールの気候変動を紹介し、それらのメカニズムについて考察します。
地上1〜2km以下の地表面に接する大気層は大気境界層と呼ばれています。大気境界層では、地表面との間で放射・熱や水分が活発にやりとりされ、大気境界層内の渦運動を介してそれらはより上空の大気層へと運ばれています。また、大気境界層での大気の流れは、地表面との摩擦の影響を大きく受けています。「微気象学」では、大気境界層で起こる様々な大気現象を中心に、それらのメカニズムを理解します。
気温、風、降水量といった様々な気象要素や、火山灰や大気汚染物質のような大気中を浮遊する種々の物質などの挙動をモニタリング(監視)することは、将来の天気を予報するためだけでなく、異常気象や気象災害の監視、地球温暖化など気候変動の監視や予測にも重要です。本講義では、現在種々の目的で行われている大気モニタリングの手法やデータの紹介と、それらの基礎となる種々の気象要素の観測手法について概説します。
大気の運動や現象の振る舞いを支配する物理法則は複雑で、その答え(ある地点・時点の気温、風など)を正確に導くことは非常に困難です。しかし、時空間的に連続的に変化する気象要素を飛び飛びの有限個の値で表現するなどの仮定を施すなどして、物理法則を数値的に解く方法が各種開発されています。このような数値計算法と、それを計算するコンピューターの発展に伴って、気象・気候に対する理解は急速に深まり、天気予報精度は急速に向上しました。本講義では、現代気象学に欠くことのできない数値計算法や数値モデルの基礎を概説し、数値天気予報の手順や技術についても紹介します。
地球温暖化や酸性雨に代表される地球環境問題は、その原因として人間活動が多大に影響しており、地球環境保全のための対策が迫られています。将来に向けて温暖化など地球環境問題の緩和策や対応策を検討する上で、現在起こっている問題の実態を把握し、そのメカニズムや影響を科学的に理解することは重要です。本講義では、過去から現在、未来にわたる種々の地球環境問題を俯瞰し、その実態や影響を理解し、将来に向けた有効な緩和・適応策を考えます。
我々人類の多くは都市に暮らしており、その大気環境は大きな関心事です。都市はまた人間が作り出した空間であり、人間にとって快適な生活のために地面をコンクリートやアスファルトで固めたり、大小様々な建物を建てたりして、都市特有の環境を作り出してきました。その影響は大気にも及び、ヒートアイランドのような都市特有の大気現象も引き起こします。本講義では、都市の存在によって現れる様々な大気現象に着目し、その特徴やメカニズムを理解します。
要件を満たした成績優秀者のみに受講資格のある、演習形式の授業です。詳しくは環境気象学アドバンストのページをご覧ください。