下記の通り、第2回環境気象学コロキウムを開催致します。今回の話題提供者は、吉﨑正憲先生です。学部1年生から大学院生まで気象学・気象予報士に興味をお持ちの方は、ぜひご参加ください。入退室は自由です!
開催日:2013年5月21日(火)18:00~ ※1時間程度
会場:アカデミックキューブ4階415室
話題提供者:吉﨑正憲 氏 (立正大学地球環境科学部)
タイトル:「手のひらサイズ積乱雲プロジェクト」
※気象予報士試験問題の解説も合わせておこないます!
地球環境を論ずるために少なくとも、(1)現状の生活レベルを保つことと、(2)そのためのエネルギー問題をどうするかを提示する必要がある。エネルギー問題の立場からは、原子力や石油・石炭・天然ガスの化石燃料の効率と発生の規模は、太陽光、水力、地熱などの自然エネルギーよりを圧倒的に大きく、現実では前者に頼ってしまう。ここでは、気象学の立場から、積乱雲に注目する。雷・竜巻・ダウンバースト・ひょうなどシビアウェザーをもたらすのは積乱雲であり、その内部では(持続性はないけれども)強大なエネルギーが発生する。この狙いはこの間にあるエネルギーを掠め取れないかということである。こうした研究はまだドラえもんの世界であるが、将来は積乱雲もどきを人間スケールでつくりそのエネルギーを実生活に適用したい。この研究の大きなメリットは、原子力の排出物の放射性物質や化石燃料の二酸化炭素が地球環境にとっては危険であるのに対して、積乱雲の場合は水であり安全であることである。また「エネルギー問題」だけではなく「水問題」も解決する方策になるかもしれない。