第6回環境気象学コロキウムを開催致します。今回の話題提供者は群馬大学の岩崎先生です。学部1年生から大学院生まで気象学・気象予報士に興味をお持ちの方は、ぜひご参加ください。入退室は自由です!!

開催日:2013年11月27日(水)18:00~ ※1時間程度
会場:アカデミックキューブ4階415室
話題提供者:岩崎 博之 氏 (群馬大学教育学部自然・情報系 教授)
タイトル:「関東地方における近年の強雨増加の実態について」
※気象予報士試験問題の解説も合わせておこないます!

多くの研究において、近年の強雨頻度の増加が指摘されている。しかし、それらの研究では、メソスケールの視点が充分とは言えない。ここでは、暖候期の関東地方とその周辺を対象に、34年間のAMeDAS降水量を使い、メソスケールの視点も取り入れ、近年の強雨増加の実態を紹介する。
34年間(1976-2009年)のAMeDAS 1時間降水量について、各地点毎に95 percentile値を求め、その値以上の1時間降水量を「強雨」と定義した。北関東の積乱雲活動に強い影響を与える熱的局地循環の強度を4段階に分類し、それぞれの強度別に、Mann-Kendall順位検定の手法を用いて強雨頻度の増加・減少傾向を調べた。図に示すように、強雨が増加した地点は一様に分布するのではなく、北関東の山岳南麓(Region SB)(熱的局地循環が強い日)と東京西部(Region WM)(熱的局地循環が中程度の日)に強雨が増加した地点が集中していることが分かる。講演では、この2つの領域の特徴と近年の水蒸気増加の実態も紹介し、強雨増加の原因についても論じる予定である。