中川用語集
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レイリーアルベド(Rayleigh albedo)
地球大気がレイリー大気であり、地表面は日射に対して完全黒体であると仮定し、宇宙への太陽光の反射がレイリー散乱だけで起こると仮定した場合の惑星アルベドをレイリーアルベドと呼び、αRと表記されることが多い。Lacis and Hansen(1974)によると、地上気圧1atmのレイリー大気のレイリーアルベドは、1%の精度で、

αR=0.28/(1+6.43cosθ)

と表される。ここで、θ;太陽天頂角である。
レイリー散乱(Rayleigh scattering)
波長の1/10以下の微粒子に光が入射したときに生じる散乱。波長の-4乗に比例して短波長の光が選択的に散乱され、前方散乱と後方散乱が等しい。日射が地球大気層に入射してレーリー散乱を受けると、先ず、紫の光線が散乱される。このため、成層圏の空は紫がかっている。紫の光が散乱されつくされると、次に、青の光線が散乱される。青の光を散乱させながら地表面に到達するので、空は青色に見え、太陽の光球は、紫以外のすべての波長の光が混合され白っぽく見える。朝夕の太陽高度が低い時間帯には、日射が大気層を通過する距離が長くなるため散乱される量が増え、地表面近くには赤の光以外は届かなくなる。このため赤の光が散乱された空は赤色となり、太陽の光球方向からも赤い光しかこないので太陽も赤く見え、夕焼け朝焼けとなる。
レイリー大気(Rayleigh atmosphere)
太陽光の中で最短波長である紫外線の波長0.35μmの1/10以下の大きさの分子だけから構成されており、太陽光を照射された際にレイリー散乱以外の反応を起こさない仮想の大気。純レイリー散乱大気pure Rayleigh scattering atmosphereと記載する文献もある。これに対して、実際の地球大気は、エアロゾルや雲粒、氷晶なども含んでいるので、太陽光が入射した際には、レイリー散乱の他に、太陽光の吸収やミー散乱も発生する。
連続の式(equation of continuity)
流体の流れの中で質量保存の法則が成り立っていることを示す式。大気中に固定された直六面体の壁面から流入する質量フラックスの収束・発散は、直六面体の中での1秒間の質量の増加・減少と完全に等しくなくてはならないことから、次式

∂ρ/∂t=-{∂(ρu)/∂x+∂(ρv)/∂y+∂(ρw)/∂z}

が導かれる。ここで、ρ:流体の密度、t:時間、u:流体のx軸方向の速度成分、v:流体のy軸方向の速度成分、w:流体のz軸方向の速度成分である。流体力学では、この式を、連続の式と呼んでいる。
地球の空気はまぎれもない流体だから、当然この連続の式を満足しなくてはならないが、気象学では、通常この式をそのまま使用することはせず、空気の非圧縮性を仮定する。空気の圧縮性とは、シリンダーの中に入れてピストンで押したら縮む、という性質であり、実際の気象現象の場合に、シリンダーやピストンのような役割を渡すようなものは存在しないので、空気塊が押されたら、空気塊は空気の動きを遮蔽していない他の方向に移動し、空気塊の密度は短時間には変わらないように見える。このため、気象学では、気体である地球空気塊を非圧縮性流体と仮定して理論を構築している。
非圧縮性を仮定するということは、短時間の気象現象の中においてはρ=const.と看做すということであるから、∂ρ/∂t=0である。更に、ρは一定値なので、上式右辺の偏微分の中に置く必要はない。更に、右辺3項総てに同じρが掛かっていて、その総和がゼロというのであるから、-ρが掛かっていなくてもやはりゼロということになり、上式は、以下のように大幅に簡略になる。

∂u/∂x+∂v/∂y+∂w/∂z=0

気象学では、この式を、連続の式と呼ぶ。次式


D=∂u/∂x+∂v/∂y

で定義される水平発散Dを用いて連続の式を表すと、

D+∂w/∂z=0

と言う表現も可能になる。この式から、地表面近傍で水平気流が収束・発散していれば、下層大気中に上昇気流・下降気流が存在しなくてはならないことが示され、その理由が質量保存の法則を満足するためであることが理解される。
 

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