2030年までに陸と海の30%の保全を目指す目標である「30by30目標」については、「ポスト2020生物多様性枠組案」の目標案の一つとして掲げられています。同枠組は、現在国際的な検討が進められており、今年開催予定の生物多様性条約第15回締約国会議第二部で採択される見込みです。

それに先立ち、昨年6月のG7サミットにおいて、G7各国は、国の状況やアプローチに応じて、2030年までに自国の陸域と海域の少なくとも30%を保全すること等を約束しました。

これを受けて、環境省では昨年8月に30by30目標の国内達成に向けた基本コンセプトを公表し、このための行程と具体策を示すロードマップを策定することとしました。この度、生物多様性国家戦略関係省庁連絡会議名にて「30by30ロードマップ」を取りまとめました。このロードマップでは、30by30目標達成のための主要施策として、国立公園等の保護地域の拡張と管理の質の向上や、保護地域以外で生物多様性保全に資する地域(OECM:Other Effective area-based Conservation Measures※)の設定・管理、生物多様性の重要性や保全活動の効果の「見える化」等を掲げています。

なお、このロードマップは、愛知目標に代わる新たな生物多様性の世界目標となる「ポスト2020生物多様性枠組」の策定に向けた議論に貢献するため、生物多様性条約第15回締約国会議第二部に向けて発信していきます。また、本ロードマップは、今年度策定予定の次期生物多様性国家戦略(閣議決定)に組み込み、より明確な国家方針とする予定です。

比企丘陵では、日本・世界農業遺産申請中のため池を中心とする谷津地形や、小川町のメガソーラの建設に伴う環境アセスメントが太陽光発電が環境アセス対象になった2020年以降、環境省が計画見直しを求める初めてのケースになるなど、生物多様性の保護については何かと話題を提供していますので、こうした動きをwatchしてください。